ストーンズ・イン・エグザイル 〜「メイン・ストリートのならず者」の真実

 今年に入ってストーンズの映画を観ることが多いが、これはコンサートライブではなくドキュメンタリー。タイトルにあるストーンズのアルバム「メイン・ストリートのならず者」の作成過程の記録である。

 この2枚組みのアルバムは、当時それほど評価されなかったらしいが、ファンの間ではストーンズの最高傑作に上げる人も多い少し不思議な作品。この収録直前に税金問題が原因でストーンズのメンバーは母国を脱出し南仏に移住する。この映画では、当時のメンバーの南仏での私生活や録音風景が描かれている。

 一見、無茶な生活をしているようだが、キースの「彼なりにまじめ」な人生への向き合い方も垣間見れてとても楽しめる。また、劇中多くの曲が流れるが、いい曲が多いと再認識する。おそらくアルバムとしてのコンセプトがあいまい(というかそもそも無い)ために評価が低かったのだと思うが、名曲ぞろいのアルバムだと思う。ミック・テイラーがメンバーだった頃のライブ映像も見てみたくなりました。

 私にとって新たな発見は、サックス奏者のボビー・キーズがこのときからすでに参加していたこと。最近見たストーンズのどのライブ映像にも必ず参加している彼だがもう40年の付き合いなのですね。ちなみに、ボビーとキースは同い年で誕生日も同じらしい。

 映画館では、300円余分に払うとポスター付きというのでそちらを買ったのですが、このポスターが変わってます。表面は普通にポスターなのですが、裏面にはびっしりと、メンバーインタビューや紹介記事や劇中の台詞が書き込まれています。「この映画を作ったきっかけ」について、ミックが「レコード会社に頼まれたから」と答えているのも最高。


(2010/08 シネ・リーブル梅田)