新之介さんの「大阪高低差本」出版記念講演会を聞いて(その1)

 「新之介さんが本を書いてる」と最初に聞いたのは昨年の8月。名古屋のビアガーデンで、東京スリバチの皆川会長からだった。その翌月に大阪高低差メンバーと明日香へ行った時にもこの話がでた。皆川さんが知り合いの編集者を紹介したらしいとのことだった。 
 本を出すなんて凄いことだなとは感じたが、それがどれだけ凄いことなのか、今から思えば、まったく実感を伴っての理解はできていなかった。

 新之介さんとは、2009年の終わりくらいに、Twitterで繋がったのが最初だと記憶している。新之介さんの印象を一言で言うと、「真面目でひつこい」となる。
 自分の考えをしっかりお持ちで、周りに流されない。何かひっかかりを覚えると、容赦なく喰いつく、本当にひつこい。
 
 でも、本人に直接お会いすると、あまりそんな印象を受けない。私のこの印象は、Twitterでの発言を見てそこから受けた印象だ。
 
 2010年9月に、中津のピエロハーバーで開催された「大阪北ヤードアートフェスティバル2010 秋祭」に、新之介さんは アート作品を出展された。2点とも賞をとった素晴らしい作品なのだけど、現代芸術に疎い私には理解できなかった。
 ひょっとすると、新之介さんとちゃんとお話をしたのはこの時が最初だったかもしれない。とても緊張したのを覚えてる。作品についてコメントすることができない後ろめたさがあったからかも知れない。
 
 本のことに話を戻そう。
 
 去年の夏の終わりから秋にかけて、新之介さんは本職が多忙を極めていたように思う。日々のtweetからそれが伝わってきた。複数のことを同時にこなすのが苦手なんだ、という趣旨のこともつぶやいてた。
 私の勝手な推測では、この時 新之介さんは、本業以外に次の3つを抱えていた
  ・立命館大阪梅田キャンパス公開講座(2015/10/14予定)
  ・大阪高低差学会 2015秋のFW    (2015/11/29予定)
  ・大阪高低差本の執筆
 
 秋のFWに関しては、日程告知だけは早期にされていた。新之介さんらしい用意周到さだ。ただ、その後のアナウンスがなかった。
 立命館大学公開講座の中でも、高低差学会としてFWを定期的に行ってることは紹介されてた。でも、すでに開催日まで告知してた状況にも関わらず、次回いつやるかの紹介はなかった。講座終了後、聴講生の一人が質問に来られて「次回のFWは決まってるのですか?」との問いにも、口を濁してた。
 その状況を見て、秋のFWはないことを知り、落胆したのを覚えてる。
 
 日程を決める段階で、そういうFWにするかは、すでに考えてるのが新之介さんだ。おそらく枚方のFWの予定だったのだと思う。大体のプランは頭の中にはあったはずだ。とりあえず行けば何とかなるだろうという、いい加減なことのできる人ならいいのだけど、根が真面目な新之介さんは、ちゃんと準備して、何よりも自分自身が納得できないと、開催に踏み切れないのだと思う。
 
 本当に新之介さんは真面目だ、そして ひつこい。
 
 11月11日についに延期のお知らせがでた。あまりに直前の連絡ではまずいという配慮と、ぎりぎりまで開催する方向でがんばる意思の分解点というタイミング。おまけに、単なるお詫びメッセージではなく、以下のような内容だった。
 
 http://osakakoteisa.blog.fc2.com/blog-entry-35.html
 
 何も知らない人がみれば、本当に仕事が忙しいのかと疑うかもしれない凝ったお詫びだ。ただ、よく読むと「中止」ではなく「延期」とある。
 
 新之介さんは、真面目だ。そのうえ ひつこい。
 
 講演会のことに話をもどそうと思うのだけど、思いのほか長くなってしまったので、次回に続きます。