ここは私たちのいない場所(白石一文/新潮社)

ここは私たちのいない場所

ここは私たちのいない場所

 大手メーカーの役員として申し分のない会社人生を送ってきた芹沢。少年時代の妹との死別が尾を引き独身を続ける。昔の部下とふとしたはずみで関係を持ったことがきっかけで、あっさりと会社を辞めてしまう。
 何かを失い、何かが足りない状態を微妙に描くが、どこか暖かく救いを感じる。