ソラシド(吉田篤弘/新潮社)

ソラシド

ソラシド

 まずい珈琲とレコードばかりの青春を過した主人公が、偶然昔のフリーペーパーでソラシドという女性二人組のバンドの存在を知る。昭和の終わりに確かに存在したはずのそのバンドが気になった主人公は、年の離れた妹とともにその痕跡を探し始める。
 いつもながらこの作者の作品を読むと、独特の世界に導かれてしまい心地よく漂い流離う。