残りの人生で、今日がいちばん若い日(盛田隆二/祥伝社)

 9歳の娘を持つシングルファーザーの出版社の編集者の直太郎。不倫を清算し書店員として働き始め結活中の百恵。ともに39歳というもはや人生の折り返し地点に差し掛かった年齢に来ているからか、互いを意識しながらも微妙な関係を続ける。
 お話の中に出てくる事象の一つ一つは暗く重いものが多いのに、なぜか全体的には前向きな感じがしてなんだか暖かくなる。