ミッキーは谷中で六時三十分(片岡義男/講談社)

ミッキーは谷中で六時三十分

ミッキーは谷中で六時三十分

 著者の小説を読むのは少なくとも20年ぶり。東京の街を舞台にした7つの短編。読んで驚くのは、基本的に昔と何も変わっていないのではないかということ。服やモノへのこだわりの描写を読むと、30年以上前のPopEyeを思い出してしまう。
 全般にかっこよすぎるわけではないし、少し苦い笑いも感じられる。ひょっとすると、昔の自分の小説のセルフパロディではないかと思ったりもしてしまう。