デッドボール(木内一裕/講談社)

デッドボール

デッドボール

 振られた彼女に借金だけは返したいと思う無職の主人公。そんな時に、少し危ない筋から仕事を紹介され、誘拐事件の共犯となる。計画では絶対確実で失敗することもなければ人が死ぬことも無いはずだったのに、身代金は奪えず、なぜか運び役の弁護士が死体で見つかる。
 素直に面白い。最初から最後までだれることなくお話が二転三転しながら前に進むドライブ感はすごく、登場人物の性格設定も文章もうまいと思う。
 これだけうまいのなら、読後にもう少し余韻を持たせる事もできるのではと、妙な期待もしてしまう。