奇跡
是枝裕和監督の映画はこれまで観たことが無かったけど、オダギリジョーと大塚寧々が夫婦役と聞いて興味を持ち、公開初日に観にいって来ました。
みてびっくりなのは、主役は まえだまえだの二人でした。夫婦だと思ってた二人は離婚していて、兄は母の実家の鹿児島へ、弟は父の実家の福岡へと、ばらばらで暮らしていました。
双方の子供を中心にお話が進むのですが、まえだまえだだけでなく、それぞれの同級生役の子供たちもすばらしく圧倒されてしまいました。途中、これ台本ではなく子供たちに好きなことしゃべらせてるんとちゃうかな、と思うほど自然な子供の表情が出ているところもあったりして、実にうまく描かれています。
九州新幹線の始発列車同士がすれ違うところを見に行こうとする子供たちだけの冒険が始まるのですが、それを通じて、親子、家族、兄弟について考えさせられます。子供の頃に持ってた夢はどこへやったのかとの自分を省みてもしまいます。
脇を固めた大人たちがみないいのですが、特に祖父役の橋爪功さんが素晴らしいのです。メインのお話とは直接絡みはしないけれども、こだわりの職人を演じていて、一つの生き方を示しているようです。
恥ずかしながら、途中から涙が止まらず号泣状態でした。こんな楽しい映画観て、どうして泣かなあんのか分かりませんが、こみ上げてくるものが止められませんでした。現時点で今年の涙ボロボロランキングダントツの第一位です。
不思議なのは、JR九州全面協力ですが、なぜかJR東日本企画とか。
(2011年6月 京都シネマ)