プリンセス・トヨトミ

 この映画、実はエキストラで参加したこともあり、観に行ってきました。

 映画として面白いかどうかの他に、以下の2点が気になっていました。
   (a) 自分が映ってるかどうか ^_^;
   (b) 大阪がどう描かれているか

 (a) に関しては、残念ながら群衆の中に自分の姿を見つけることはできませんでした。綾瀬はるかさんがすぐ横を走っていくシーンも撮影されたはずですが、その部分は使われなかったようです、残念。

 それはそれとして、映画としてどうかと言うと、少し疑問です。実は原作は昔に読んでるのですが、そのときの記録を見るとあまりいい評価をしていません。お話自体に共感できなかったのでしょう。
 今回、映画を観ても同じ印象を持ちました。話に不自然なところが多すぎて、すんなりと入り込めないのです。

 また、(b) に関しても、すんなりとは受け入れがたいものがあります。綾瀬はるかが走る場所がつながってなくて、どんなけ足が速いんやろ、なんて突っ込みは許せると思うんです。でも、それ以前の「大阪の打ち出し方」に少し疑問を持ちました。
 この問題は、そう簡単ではないことは理解しています。まず、誰をターゲットにするかが難しいと感じます。
 大阪の人に対して なのか 大阪以外の人に対してなのか。ここはやはり、大阪以外の人に対して大阪をアピールすべきだと思うんです。そのためには、たとえ不自然でも大阪各地の風景がばらばらと不連続に出てくることも、ある程度は仕方がないと思うのです。
 はたして、大阪をあまり知らない人がこの映画を観て、「大阪て、えぇとこやな、おもろいとこやな」と感じてくれたかどうか、とても心配です。

 私自身は、四半世紀以上大阪府民をしてますが、元々が Native Osakan ではなく、大阪市民だったのは数年だけという立場なので、中途半端にいろんなことを考えてしまうのかもしれません。

 少し前に観た「阪急電車」と比べてしまうのがいけないのかもしれません。原作もよかったですし、映画もとても丁寧に作られたいい映画でした。おそらく、映画の舞台となった沿線になじみのある方にも、そうで無い方にも、とてもいい印象を与えたのではないでしょうか。

 阪急電車に関しては、観終わった後にとても暖かい気持ちになり、大きな満足を得ました。原作をまた読んでみようという気にもなりました。それに比べると、今回は少し不完全燃焼な感じです。

なんか無性に、ブラックレインをまた観たくなってきました。

(2011年5月 TOHOシネマズ二条)