ウッドストックがやってくる!

 「ブロークバック・マウンテン」の監督と聞いて観る事にした。一見、まったく違うタイプの作品だったが、結構見ごたえがあり満足。

 原作はノンフィクションらしく、伝説の野外フェス「ウッドストック」の実現に大きく関わった地元の青年エリオットの視点で描かれている。ウッドストックを招致するきっかけから準備段階の苦労、そして当日(三日間)から終わるまで。

 驚くことに、コンサートそのもについては一切出てこない。ナイーブな青年エリオットの内面を投射する出来事ばかりが描かれている。青年の両親はじめ個性的な登場人物が次々と出てくるため、それだけでも楽しめるが、本当は実に内省的な映画なんではと思う。

 時代は、1969年でアポロ11号の人類最初の月面着陸の年。当時私は小学生で、その翌年の万博、さらにその後の大相撲の「かばい手(貴ノ花)」と、世の中が大きく変わることを実感し始めた頃です。

(2011/04 京都シネマ