第4回「面格子の楽しみ お散歩編」

 もともと待ち歩きはよくしていたし、カメラ片手にお散歩するのは大好きでした。それが面格子を意識するようになってからは、別の楽しみが増えた感じで、より一層楽しくなるとともに質的にも変化したように思います。

 街をあるけばどこにでもあるように思う面格子ですが、いざ見つけようとするとそうではないことに気づきます。そうかと思うと面白いように次々と見かけることもあります。すてきな文様の面格子を見つけた時の喜びは格別です。

 お散歩がメインの時だけでなく、何か用事があって出かけるときも、最終目的地まで電車で行くのではなく、手前で降りて歩くようになりました。交通費が節約できて、健康に役立ち、さらに面格子探しもできるという、一石三鳥です。

 当然といえば当然ですが、面格子は車が良く通る大きな通り沿いにはあまりありません。(ごくたまに、お店やビルに素敵な面格子があることもあるのですが、、、)面格子ウォッチングのためには、大通りから一本中に入る必要があります。
 なので、移動と散歩を兼ねる際にも、最短コースである大通りではなく一本はずれた並行している道を歩くことにします。場合によっては、電車の路線図から外れて斜めにショートカットしたりします。

 歩きながら街並みを見て、住宅や小さな店舗(チェーン店ではない)が並ぶような区画に入ると期待が膨らみます。面格子はどこにあるか分かりません。道の両側を払う必要がありますし、2階にも素敵なものがあるかもしれないので気を抜けません。
 進んでいる道と交差する細い道(もしくは路地)があったりすると、要注意です。面格子の本来の役割からすると、さほど人通りのない道に面した窓には必要なはずです。交差点では必ず左右をチェックしています。気配を感じた場合は、行き止まりに見える路地にも入って行ったりします。そんなところで素敵な面格子を見つけたりすると感動物です。

 こうやって自分がやっていることを書き出してみると、客観的に見て挙動不審で怪しい人です。おまけにカメラを持っています。面格子ファンクラブ会員の中には、「何をしているのですか」と問い質された人もいます。ありがたいことに、デジカメのため何を撮っているのかその場で見せることができます。説明をすると大概の人は「変だけれど危険ではない」と分かってくれるとのこと。そんな先輩のアドバイスを受けて、iPhone のフォトアルバムに撮った面格子を集めたフォルダを作成しました。これを見せながら熱く語れば、相手は引いて行くとのこと。

 面格子ウォッチングは楽しいのですが、これ以外にも課題はあります。お散歩をしているときに面格子に夢中になると、他のことが眼に入らなくなってしまうことです。街中には楽しいことがいっぱいあります。先入観なく素直なこころで街を歩けば、楽しいもの素敵なものはいくつも見つかります。面格子ばかりが気になるのは、やはり行きすぎと思うので、面格子「も」楽しめるようになるのが今後の課題です。

過去記事 第1回「面格子とは何か」
過去記事 第2回「面格子の装飾付加についての一考察」
過去記事 第3回「ダイナミックな文様の面格子について」
今回終了 第4回「面格子の楽しみ お散歩編」
次回予告 第5回「面格子の楽しみ ネーミング編」