勝手にふるえてろ(綿矢りさ/文藝春秋)

勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ

 正直言って少しついていけない。男の私が女性の気持ちを本当のところは理解できないのは当然としても、一つの世界として主張してくるものが感じられなかった。主人公の生活の基本となる会社生活や、他者との関わり方に関する記述がなんとなく表面的で具体的イメージがつかめないので、脳内で登場人物像が固まらないのだと思う。