酔いがさめたら、うちに帰ろう。

 西原理恵子の元夫であり戦場カメラマンの鴨志田穣アルコール依存症から立ち直る過程を描いた物語。「大人のための心揺さぶられる名作」とあったが、恥ずかしながら泣いてしまいました。
 西原役の永作博美の少し素っ気無い態度に逆に強い夫婦愛(正確には元夫婦だが)が感じられとてもいい。子役がかわいくてうまいのはもはや反則でしかない。非常に多くの個性的な俳優さんたちが出ているのも素晴らしい。
 当然ながら主役の浅野忠信はとてもよくて、実は演技なんてしてないのではないかと思えるほど役になじんでました。病院の食事にカレーが出て喜ぶシーンなどは最高です。

 映画館にあるポスターのサインを見て、監督が東陽一であることを知った。東陽一といえば「サード」「もう頬づえはつかない」といった ATG映画しかみたことがないので30年ぶりくらいだろうか(今時の若い人は、ATGって知ってるんやろか)。もうかなりの高齢ではないかと思う。
 久しぶりといえば、利重剛が出ていたのにも少し驚きです。まだ役者もやっていたんですね(私が知らないだけかも)

 エンディングに流れる主題歌は忌野清志郎が歌うが、映画の公式HPの紹介欄で故人として扱われていないところに、スタッフからのメッセージを感じ、また泣けてくる。

(2011/02 京都シネマ