武士の家計簿

 今年初めての時代劇映画。幕末の加賀藩に算用者(会計)として仕えた実在の武士を描いたお話。当時の家計簿が今も残っており、それを解読した新書が原作らしい。

 主人公の数字には滅法強いが融通の利かない「そろばんバカ」を、堺雅人が演じている。役どころがあまりにぴったりで、彼の為に作られた書下ろしの作品かと思ったくらいです。「ジャージの二人」「アフタースクール」のようなダメ男も似合いますが、生真面目な中に人間味のある演技もいいですね。

 一家の膨大な借金返済や幕末の混乱と、大変な時代を生き抜いていくわけですが、家族のつながりを考えさせられる映画です。実は、監督が森田芳光ということで、少し心配していましたがまじめな中に微笑ましい箇所も多くありいい映画を見せてもらったと満足しました。

 初日に行ったからか、そろばん玉ストラップをいただきました。映画で使われているそろばんは、兵庫県小野市のものとのこと。播州そろばんの産地ですね。

(2010/12 MOVIX京都)