声出していこう(朝倉かすみ/光文社)

声出していこう

声出していこう

 北海道に住む、老若男女6人が順に語る連作短編。ただ、この6人がみな少し「ずれ」ていて、妙な間合い、妙な雰囲気が緊張感を生み出し全編通じて楽しめる。

 自分の思う自分と他人が見る自分との「違い」が、お話をすすめる原動力のよう。ちょっと怖いが、これがこの作者のユーモアなんだと思う。