やわらかな棘(朝比奈あすか/幻冬舎)

やわらかな棘

やわらかな棘

 過去の想いに引きずられる女性の葛藤を、怖いくらいに描いた連作短編。過去へのこだわりが「棘」となり、他人だけでなく自分自身をも傷つけていく。

 4作それぞれではあるが、みな自分自身を取り返すべくあがきながら、「棘」との折り合いを付けていく。

 「女は怖い」の一言ではすまない位、怖くなる部分もある。