雲と鉛筆(吉田篤弘/筑摩書房)

 屋根裏に住み、鉛筆工場で働く 「ぼく」、休みの日には遠くに出かけたり、鉛筆を削り雲の絵を描き、姉に手紙を書く。そんな代り映えのしない繰り返しの日々を描く。合理性を追求する多機能道具のセールスマンが訪れるが、「ぼく」は受け入れない。
 短くてすぐに読めるが、妙に味わい深く、大人向けの童話のようでもある。