高架線(滝口悠生/講談社)

高架線

高架線

 古アパートながら、駅徒歩5分で家賃3万円と格安の「かたばみ荘」。不動産屋は通さず、退去するには自分で後釜を探してくる必要がある。そんなアパートの住人が失踪した。
 関わる人々が順に1人称で語る十数年の物語。「茄子の輝き」の、どこにも行かない感も良かったけど、謎を残しながら次々と前に進む、この感じもとてもいい。