砂上(桜木紫乃/角川書店)

 離婚した元夫からの慰謝料と、同級生のビストロでのバイト代で暮らす40代の女性。作家になるのが夢で、書いた小説を何度も応募するがいつもあと少し。そんな時に東京から応募原稿を読んだ編集者がやってきて、自分自身のことを書けという。
 自らの出生にまつわるテーマで書き出すが、そのことが周りとの軋轢を生むことになる。