遠くの街に犬の吠える(吉田篤弘/筑摩書房)

遠くの街に犬の吠える (単行本)

遠くの街に犬の吠える (単行本)

 使われなくなった言葉(バッテン語)を収集し辞書を作ろうとする先生。彼にまつわる、消えた音を拾うことのできる音響技師、吉田という名の作家、などが先生の秘密を探ろうとする。
 作者は、装丁を手掛けデザインの人だと思うのだけど、言葉・文字に関するこだわりがすごい。ひたすら細部にこだわり、肝心なところは何一つ明らかにならないのに、お話として楽しめる不思議。