月の満ち欠け(佐藤正午/岩波書店)

月の満ち欠け

月の満ち欠け

 「生まれ変わり」がテーマだが、単純には書かずジワジワとにじみ出るように描くのがこの作者の凄いところ。おまけに「生まれ変わり」の軸が複数あり、お話がどこまでも膨らむ。30年以上の時間の経過を描いてるが、とにかく文章もうまくすんなりとひきこまれ、そのまま逃げられない。