百年の散歩(多和田葉子/新潮社)

百年の散歩

百年の散歩

 ベルリンのいろんな通りであの人を待つ。狭い範囲で動いているにもかかわらず、意識は多くの民族、多くの言語を巻き込み世界中を飛び回る感じで、放浪しているよう。自ら意志を持って移動するというよりただふわふわと漂う感じ。長年ドイツで暮らす著者ならではの異邦人感覚なのか。