やめるときも、すこやかなるときも(窪美澄/集英社)

 どうしてこの作者は、いつもこんなに苦しい状況設定での恋愛ものばかり書くんだろう。そしてそれにまたしても引き込まれてしまう。
 家具職人の壱晴は、毎年同じ時期に声が出なくなる。過去のつらい出来事を忘れられないからだが、その反動で女性関係は乱れてる。そんな男と、恋愛経験のない女が出会ってしまう。