春に散る(上・下)(沢木耕太郎/朝日新聞出版)

春に散る  下

春に散る 下

春に散る  上

春に散る 上

 ボクシング、敗者、若さと夢、老い、と著者らしい要素が詰まった長編小説。何より元ボクサーの主人公がかっこよすぎる。60歳過ぎて昔のボクシング仲間を訪ね歩き共同生活を始めようとする。
 どう考えても、お話の展開に無理がありドラマチックすぎるが、40年ぶりに帰国した初老の男の一年間が描かれとても面白い。