かわうそ堀怪談見習い(柴崎友香/角川書店)

 恋愛小説家のレッテルを貼られた作家が新境地を求め怪談を書くことにする。血まみれの幽霊が出てくるわけではなく、何かが無い、境界を超えてしまった、という小さなきっかけで始まる少し変な出来事。落ちがないのもらしいし、どこかで聞いたような地名や喫茶店が出てくるのも楽しい。