犯罪小説集(吉田修一/KADOKAWA)

犯罪小説集

犯罪小説集

 犯罪を犯してしまった人と、その周辺の人々のつらさ、悲しさ、やりきれない思いが渦巻く短編集。5編とも犯罪そのものや経緯を詳細に描く。ただ、そのせいか、犯罪そのものに関心が行ってしまい、人間のどろどろしたものが感じにくいように思う。吉田修一なら、もっと、深くどろどろと。