すみなれたからだで(窪美澄/河出書房新社)

すみなれたからだで

すみなれたからだで

 時代もテーマもそれぞれ違う8つの短編だが、全体通じて妙な閉塞感が漂っている。だからと言って投げやりになるのではなく、半ばあきらめながらもそれでも生き続けている。
 最初の作品「父を山に棄てにいく」で感じたそんな印象が、他の作品にも形を変えて出てくるように感じる。