花や今宵の(藤谷治/講談社)

花や今宵の

花や今宵の

 平家の落人伝説のある母の実家の裏山には不思議な力があり、冬至に桜が満開になるという。小4の時に気になって同級生女子と山に入ったが、そこで彼女は突然消えてしまった。自責の念で落ち込み、勉強に逃避し優等生になってしまう。
 それから19年後、今では東京で暮らすぼくは、人生が大きく変わることも覚悟の上で帰省し、再び山に入る。