野呂邦暢小説集成5 諫早菖蒲日記・落城記 (野呂邦暢/文遊社)

 野呂邦暢は、歴史小説も書いていた。タイトルに「日記」とあるのは1作だけだが、どれも一人称で時間の流れを追って語られる。派手さはないけど、その描写は素晴らしく、その場に居るようなな感じになる。特に「落城記」は、徐々に劣勢になる感じがいい。