鍵の掛かった男(有栖川有栖/幻冬舎)

 面白い。70歳過ぎの男が、大阪中之島のホテルで5年も宿泊していた部屋で死んでいた。警察は自殺としたが、同じホテルに宿泊していた作家は納得できず有栖川に調査を依頼する。
 いわゆる本格物ではなく、死者の人生をたどっていき、少しづつ事実が明らかになっていく面白さ。舞台の中之島を中心に大阪観光案内にもなっている。