中野のお父さん(北村薫/文藝春秋)

中野のお父さん

中野のお父さん

 出版社で文芸担当の美希の周りでは何かと不思議な事件が起こる。実家に帰った際にそのことを話すと、国語教師の父は聞いただけで謎を解いてしまう。円紫さんシリーズの初期の頃のような雰囲気の短編集。
 事件といえば事件だけれどもさほど深刻でないことや、謎を解くお父さんの目線が優しいことも、読んでいて心地よい理由。