電車道(磯崎憲一郎/新潮社)

電車道

電車道

 とにかく線路を敷き、鉄道を走らせるんだという、強い思いで生き抜いた男。その人生に、近代日本100年の成長の歴史が重ねられている。文章の「ノリ」が独特で、話があちこちにそれて妙に引っかかるのだけど、それが返って力強くお話を前に進め。気がつけば読み終わってる。この感じがまさしく電車道