嗤う淑女(中山七里/実業之日本社)

嗤う淑女

嗤う淑女

 家庭環境に恵まれない美智留。巧みな話術とその美貌で、他人を陥れる稀代の悪女。その罠にはまった4人の物語が順に語られる。読んでいて気持ち悪くなるくらいの極悪な犯罪だが、話の展開が面白くさほどいやみがない。この作者の場合、どこでドンデン返るのかと、妙な期待を持って読んでしまう。