ラスト・ワルツ(柳広司/角川書店)

ラスト・ワルツ

ラスト・ワルツ

 「D機関」シリーズ最新作、今回の3編もどれもレベルが高く、期待値が上がってるのに楽勝でクリアしてしまってる。手品師がいかにも怪しげな動きの右手に観客の注目を集めておき、その陰で左手でタネを仕掛けるように、瞬間的に状況が変わり騙されてたことに気づく。心地よい驚きと敗北感が味わえる。