献灯使(多和田葉子/講談社)

献灯使

献灯使

 とても悲惨な日本の将来を描いた近未来小説5編。不幸な事故の後、国際社会で孤立した日本は鎖国する。生態系にも影響が出始め、老人は死ぬこともできず、子供は筋力が弱く自力で歩くこともできない。
 どの作品も妙にリアルな背景設定がされていて、寒気がするほどリアルで恐ろしい。読んでて気持ち悪くなるが、読み終えて満足する不思議。