アポロンの嘲笑(中山七里/集英社)

アポロンの嘲笑

アポロンの嘲笑

 東日本大震災直後で、大混乱中の警察に殺人事件の通報がある。容疑者は確保されており、簡単な事件に思えたが、余震の混乱に付け込み移送中に容疑者が逃げ出してしまう。なぜ逃げる必要があるのか、どこへ向かうのか。まったく不思議な状況の中、刑事の地道な捜査によって、次第に背景にある大きな事件が明確になってくる。
 謎解きの面白さや意外な結末ではなく、登場人物の心の動きが主題。