おれたちの故郷(佐川光晴/集英社)

おれたちの故郷

おれたちの故郷

 「おれのおばさん」シリーズ最新作。仙台の進学校に通う陽介、青森の高校でバレーボールに打ち込む卓也と、それぞれの道を歩む札幌の児童養護施設「魴鮄舎」の卒業生たちのもとに、施設が耐震基準に抵触したため閉鎖するとの連絡が入る。
 小さかった子供たちが成長したくましくなる代わりに、おばさんたち大人は確実に老けていく。そんな現実を見せられてしまうが、それでも青臭く生きる子供たちがいい。