ただいまが、聞こえない(坂井希久子/角川書店)

ただいまが、聞こえない (単行本)

ただいまが、聞こえない (単行本)

 両親に娘二人、4人全員がそれぞれに問題をかかえ、もはや崩壊寸前の家族。自分の問題を他人のせいとしながら、他人には関わろうともしない。そんな4人を順に描き、出口のなさを感じたところで状況が一変する。
 家族とは、を問いかける小説かもしれないが、恵まれた境遇と幸福との違いについても考えてしまう。