盤上に散る (塩田武士/講談社)

盤上に散る

盤上に散る

 母の遺品の中に、あて先に氏名だけ書かれた封筒が見つかる。名前を元に調べると、宛名の男は将棋の棋士と思われる。母の意志を継ぐべく男を捜し始め、伝説の真剣師と分かるが、その消息は誰も知らない。
 前作とは少し雰囲気が違い、将棋そのものの要素は少ないが、男を捜して京阪神を動き回る謎解きと、人間味あふれるユーモアが楽しめる。