豆の上で眠る(湊かなえ/新潮社)

豆の上で眠る

豆の上で眠る

 子供時代に神隠しにあった姉は2年後に戻ってきた。妹は、久しぶりに会う姉に違和感を覚え、別人ではないかとの疑いがどうしてもぬぐえない。作者一連の作品同様、人間の汚い部分があからさまに描かれる。ただ、読むのを止めたくなるほどの毒はなく、いつものなんともいえない嫌な読後感もないところが少し物足りない。