戸惑う窓(堀江敏幸/中央公論新社)

戸惑う窓

戸惑う窓

 何とも不思議な感じのエッセイ集。「窓」をテーマとしているが、状況設定も様々で短めの短編小説を読んでるような気もしてくる。なぜそこに窓があるのか、窓の向こうには何があるのか、さまざまな思いが著者の心の中で揺れ、それが素敵な文章として綴られる。この戸惑う感じが、緩やかだけれどスリリング。