骨を彩る(彩瀬まる/幻冬舎)

骨を彩る

骨を彩る

 先立たれた妻の夢を見るが、見るたびに夢の中の妻の手の指が減っていく。男はそれをどう感じればいいのか。なんとも不思議な男女や家族の愛を描いた短編集。どの作品も、何かが足りない危ういバランスの妙な感じが漂う。
 心の中に不安をあおるはずなのに、不思議と読後感は明るい。