とっぴんぱらりの風太郎(万城目学/文藝春秋)

とっぴんぱらりの風太郎

とっぴんぱらりの風太郎

 地元を追い出された伊賀忍者風太郎は京で、ひょうたん屋の手伝いをして生計をたてる。少しぼんやりした主人公が、いつのまにか大きな話に巻き込まれていくところはいつも通りだが、今回は豊臣家の滅亡という、歴史上の大きな転換期を舞台にしている。
 ここまで長くする必要はないだろうと思うくらい分厚いが、読んでみると途中でだれたりすることもない。