七色の毒(中山七里/角川書店)

七色の毒

七色の毒

 タイトル通り色にちなんだタイトルのついた短編。どれも意外な人間の表面的には分からない悪意が描かれている。男の嘘は必ず見抜けるという刑事の捜査はやや反則だが、ミステリーとしての謎解きの意外性にこだわっていて、どの作品も最後まで気が抜けない。
 作者がミステリーを書きたいという方向性が感じられる気がする。