これからお祈りにいきます(津村記久子/角川書店)

これからお祈りにいきます

これからお祈りにいきます

 高校生シゲルの育った町には、神様に取られたくない体の部位の模型を作るという変わった祭りがある。祭りが近づくと、町中あげて模型作りに取り組むが、シゲルはその祭りが好きになれない。父親は家に寄り付かず不倫をし、中学生の弟は不登校で引きこもる。シゲルは、ひたすらバイトに励みお金を稼ぐ。
 なんとも不思議な雰囲気の物語。主人公シゲルの行き場の無い苛立ちが伝わってくる。