路地裏の金魚(鳴海章/光文社)

路地裏の金魚 (光文社文庫)

路地裏の金魚 (光文社文庫)

 製薬会社のMRである中年男性は、別れた妻子への養育費に苦しみながらも懸命に生きてきた。ある日接待のあと、ふと立ち寄った居酒屋のカウンターで、若いころの父親を見かける。路地裏の居酒屋とタイムトラベルという設定が実にいい。故郷への主人公の想いが複雑に絡み、お話が膨らむ。