サクラ秘密基地(朱川湊人/文藝春秋)

サクラ秘密基地

サクラ秘密基地

 少しノスタルジックな感じの切ない短編集。どの作品にも「写真」というものが、重要な役割を持って登場する。簡単に撮れて容易に複製できる「画像」ではなくて、「写真」だからこその味わいがある。
 客観的には、どの作品も悲しく、また暗い。なのに読むことができてうれしく思える。