われらが背きし者(ジョン・ル・カレ/岩波書店)

われらが背きし者

われらが背きし者

 現代のスパイ小説との触れ込みで読んでみた。冒頭のカリブでのテニスのシーンから一気に運ぶスピード感。緩急を繰り返しながら、明らかになる謎と、新たな謎。ロシアマフィアと英情報部の間で振り回される、実に魅力的な若い男女。楽しめるが少しほろ苦い。