私がいないクリスマス(加藤元/講談社)

私がいないクリスマス

私がいないクリスマス

 30歳独身女性がクリスマス直前に癌の手術で入院する。手術は成功するが、その前後から不思議な夢を見て、過去を振り返ることになる。彼女にとってクリスマスとは不幸な出来事の起こる時期だった。昔の恋人、子供時代の友人、祖母代わりのおミツさん、母親、会社の人たち、医者、介護士など実在/空想の人物たちが重なって登場し、やがて子供のころにはわからなかった真実に気づく。クリスマスらしいファンタジーといえるが少しほろ苦い。