紅葉街駅前自殺センター(光本正記/新潮社)

紅葉街駅前自殺センター

紅葉街駅前自殺センター

 自殺者の巻き添えを防ぐために、確実で安全な自殺を国が管理するという設定の近未来。自殺希望者は最寄のセンターに登録し、5回の面接を経て自殺に至る。お話の中では、その面談でのやり取りにより、主人公がなぜ自殺したいのかが徐々に明らかになっていく。
 ありえない設定が故に、却って人間の人間らしさが浮き彫りになる。